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【第5章】沈下事例

No.4 柱状地盤改良工事すべりによる沈下について


今回も、実際に発生した不同沈下についてお話いたします。

事例4:柱状地盤改良工事すべりによる沈下

当地は自然地盤は急激な傾斜で形成されており、層厚の異なる盛土を行い、盛土の為に軟弱地盤対策として柱状地盤改良を行ったが、柱状地盤改良が傾斜に合わず、滑ってしまい沈下しました。




















地盤調査の結果、傾斜地は強固の岩盤であり、柱状改良の施工可能な範囲では柱状改良が乗るような形になってしまい、根入れが充分に行われていませんでした。また、改良長が大きく異なるため、建物荷重は一番長い改良体へ伝達し、1番長い改良体が傾斜からすべり、建物を不同沈下させたケースがあります。


軟弱地盤対策の杭工事と柱状地盤改良工事を以前に説明しましたが、このような傾斜地の場合、根入れがしっかり行われ、すべりが発生しないようにする必要があります。

今回のケースでは工法の選択に充分な配慮をしなければならず、小口径の鋼管杭を使い、なるべく根入れ長を取り、傾斜すべりを防ぐ必要がありました。